兵頭・BIG‣UP

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兵頭・BIG‣UP

dafbd061-5aa1-4c45-ae60-f884e75b3bf7 「じゃあ、兵頭さん、行って来ます」 僕がそう言うと、兵頭は、 「組長、どうぞ、兵頭とお呼び捨てください」 と、答えた。 「じゃあ、僕のことも、組長ではなく、坊ちゃんのままでいいです。組長なんて、なんか、怖くて……」 「分かりました。では、内輪では、坊ちゃんと呼ばせていただきます。行ってらっしゃいませ、坊ちゃん」 兵頭に、見送られて、僕は、家の表へ出た。 すると、コテツが、軽自動車の前で待っていた。 コテツは、僕を学校まで送ってくれるのだが、初めは、あの黒塗りのベンツで送ってくれようとしていた。 僕が、「やめてほしい」と頼むと、今度は、自分の自家用車である軽自動車で送ってくれるようになった。 学校への自動車の中で、コテツは、自分のことや、王子のこと、そして、兵頭のことも教えてくれた。
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