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「先月になって、組長の元に、坊ちゃんのお母様から、手紙が来たのです。坊ちゃんを頼むと……」
母さんは、乳がんだった。
兵頭は、辛そうに言った。
「自分はがんで、もうすぐ死ぬから、息子の優太を頼みます……そう書いてありました。組長は、それは、びっくりされましたが、一人息子さんが見つかったことは、とても喜ばれました。しかし、その組長が……」
「えっ? どうされたんですか?」
「敵対する京極会の鉄砲玉に刺されて、瀕死の状態です……」
「ええっ?」
「極道は、病院には、世話になっちゃあいけねえ、とおっしゃって、自宅にいらっしゃいます。もう、長くは、ないと思います……」
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