![a0e9e259-d019-4600-987f-9440213731ff](https://img.estar.jp/public/user_upload/a0e9e259-d019-4600-987f-9440213731ff.JPG?width=800&format=jpg)
「はい……優太です」
僕は、その手を取ろうかどうしようか、迷ったが、その人が、父親だと思うと、知らぬ間に手を握っていた。
父親は、涙を流していた。
「すまなかったな……母さんが死んで、一人でさぞ辛かったろう……」
そう、言った。
僕は、思いもせず、涙が出た。
「お、お父さん……」
お父さんの手は、温かくて、大きかった。
「優太……、私は、ヤクザの組長だ……。この八神組は、みんな、世の中からはじかれた寂しい者たちが集まった組なんだ……」
お父さんは、苦しそうに話した。
「……だから、私が死んで、この組がなくなってしまっては……皆が行く場所がなくなってしまう……」
僕の手を握るお父さんの手に、死にそうな人とは思えない強い力がこもった。
「優太……、この八神組を……継いでくれ……」
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