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暗い暗い意識の中で今案で自分がやってきたことを思い返す。
結局のところ、私がしてきたのは何だったのだろうか。
お姉ちゃんは言った、自分を犠牲にしないでって。
蓮は言った、私を待っている人がいるって。
伊吹は言った、そんな事言うなよって。
なんでみんな、私なんかに価値を見出そうとする。
それは求められているから?友達として?役者として?姉妹として?
分からない、私には何も分からない。
何も求められていないなら、私はどうすればいい?
(本当の私なんかいらないんだ)
そうだ、ずっとそうだったじゃないか。
私がいるからお姉ちゃんはもっと早くに幸福を得られずに死んだ。
だから私はアレに頼ってお姉ちゃんを呼び戻そうとした。
それなのに、どうして蓮や伊吹、それにお姉ちゃんまでも拒絶した?
(君を待っている人がいるんだ)
私を待っている人?それも求められたから?
(……違う、二人はずっと私を見ていてくれた)
親がどうこうとか関係なくただの私としてみてくれた。
お姉ちゃんもそうだった、あの場所でも私をただの私としてみてくれた。
(私は、私でいていいの?)
それは分からない、これは一人じゃ出せない答えだから。
そう思った瞬間視界が白く染まって、私は病室らしき所で目を覚ましたのだった。
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