裏切り者にはXXXを!

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裏切り者にはXXXを!

「あの日、約束したことを覚えてる?」  彼女はじいっと僕の眼を見つめて言った。 「忘れたはずないわよね。私達は手を取り合って、誓い合ったんだもの。同じ夢を目指すって。……そのために、努力を続けるって」 「み、美冴(みさえ)……」 「私はあの日の貴方の言葉を、ずっと信じてきた。貴方だけは、絶対に私を裏切らないって。……だって、私が生涯を誓い合った人なんだもの、当然でしょ?」  僕は、冷や汗を掻きながら黙り込むしかない。彼女の口調はけして激しいものではなかったが、それがかえって恐怖を掻きたてるのだ。  怒っている。かつて、僕がこっそりパチンコに行った時よりも、うっかり財布を落とした時よりも、酔っぱらって線路に落ちた時よりも。  何故ならばテーブルの上には、言い訳しようのない僕の浮気の証拠があるのだから。 「ご、ごめん、僕は……」 「もう言い訳なんか訊きたくない。だって貴方は……貴方は私との約束を破った。それが全てでしょ……!」  ギロリ、と彼女は涙に濡れた眼で、僕を睨みつけた。 「絶対に許さない」  そして。 「貴方には罰を受けてもらうわ、そう……」  彼女は勢いよくリビングの後ろのドアを開けた。そこに広がる恐ろしい光景に、僕は悲鳴を上げる。  ああ、それだけは!それだけは! 「これから毎日!キノコ漬けの日々を送って貰うんだからああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
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