裏切り者にはXXXを!

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 ***  ああ、なんて恐ろしい。両親の様子を見て、俺と兄貴は震えあがった。  例のチョコレートのお菓子。キノコ派とタケノコ派の間には、深い深い溝がある。時にはその溝に川どころかマグマが流れるほど。両親はどちらもキノコ派だったが故に、円満に結婚したはずだったのだが。  息子の俺達は知っていた。最近、父がタケノコの魅力に気付いてしまったことを!  そして、こっそり食べていたタケノコのお菓子の箱を、母に見つけられてしまったというわけである。生涯をキノコに捧げると誓い合った夫婦にとって、それは明確な裏切りに他ならないのだ。 「や、やばいよ兄貴……」  弟が掠れた声で言う。 「お父さん、キノコだらけの異空間に連れ込まれて出てこないんだけど……時々悲鳴みたいなのが聞こえてくるんだけど一体中で何が……」 「か、考えるのはやめよう。SAN値が減る……」 「ていうか、ぼく達最近、ポッキーに浮気してるんだけど大丈夫かな……」 「大丈夫じゃない、問題だ」  第三勢力に流れている俺達の実情は、なんとしても秘匿にしなければならない。  キノコもタケノコもポッキーも美味しいが、お菓子はほどほどに楽しむのが一番なのだから。
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