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「でも、私は寿々花さん、好きでしたよ。
お美しくて、いつも堂々としてらして」
「そ、そう。
ありがとう」
『でも』とつくところが、すでに私の評判を物語っているわ、と思った。
それにしても、不思議なものだ。
六年生のとき、ちょっとだけ掃除班で仲良くて。
なんとなく忘れられなかった後輩が、こうして、知らない間に、息子を通じて、親戚になっているとか。
そのとき、カランカランと勢いのいいドアベルの音がした。
「あかり、竜崎が占ってくれって。
結婚と出世について」
と言いながら、青葉が竜崎さんと来斗さんを連れてやってきた。
お昼を食べに出たついでに寄ったという。
「出世についてなら、青葉さんに訊いた方がいいのでは……」
と嫁は笑っている。
青葉は、なんだかんだ、理由をつけては、ちょっとでも、嫁の顔を見たいんだろうなと思う。
仲良すぎて腹立つときもあるけど。
まあ……家族三人、元気で仲良くいてくれるのが一番か、
と日向を抱き上げる青葉と、それを笑って眺めている嫁を見た。
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