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「ママ、あたしね、手足をバラバラにされて死んだの」
私は何も知らずにのほほんと生きていた。中絶なんて無関係だと思いながら、どこか他人事の様に考えていた。正直生でした事もあったし、今考えるとなんて事をしたのだろうかと言う思いしかない。その時は運良く妊娠なんかしなかったし、無責任な中絶はしなくて済んだ。でも、もし、妊娠していたらどうしていただろう。口では中絶はしたく無いとか言いつつ、どうしていたか分からない。
そして、つい最近、恋人ができた。三歳年上の幽霊に取り憑かれた人だった。彼は取り憑いた幽霊さんに虐めれていた学生時代助けられたらしく、今も仲良く良い関係を築いていた。幽霊さんはどちらかと言うと守護神様と言った感じで名前を水田さんと言った。そんな彼とデートをしていた時、ふと気になって聞いてみた事がある。
「ねね、みっちゃん(水田さん)赤ちゃんで空の上で親を決めるって言うよね?うちに来ようとしてる子って居るの」
冗談のつもりだった。そんな子居ないと思っていた。不妊手術を受けるつもりで私は前日に色々調べていたし、お金さえあれば受けようかな?なんて思っていた。
「1人いるよ」
冗談だと思った。だが、守護神様は明後日の方向を見て、話していた。色んなことを聞いてもらった。
女の子である事。
中絶されないように中絶しない母親を探していた事。
家に来ると決めた事。
私はそんな娘に家においでと伝えた。無責任かもしれないけど、どうしても伝えたかった。
その子はとても喜んで踊っていたと聞いた。普通の子は踊らないらしいから、うちの娘が特殊なのだと思う。
そんな娘から昨日、守護神様を通じて中絶方法の絵が送られてきた。
「私はこうやって中絶されたんだよ」
と言いたかったらしい。
私は聞いた。なぜ、中絶されたのかと。
娘は知らないし知りたくも無いと言った。
私は安心した。これ以上娘には傷付いて欲しく無かったから。
うちの娘は名前も無かった。友達からは手足がバラバラだからバラちゃんと呼ばれていたらしかった。そして、足も腕も中絶する時にもがれたらしく、腕と足がバラバラで体から離れて宙に浮いてる状態らしく、親が決まりやっと腕が体にくっついたらしい。生まれる準備ができるまでくっつく事はないらしい。
娘は今、彼の家にいる。子供は親を決めると親の家で過ごすらしい。親の色んなところを見て生まれるのを楽しみにしてるらしい。
今無責任に中絶する人、増えてると思う。子供は色んな理由で親のところに来る。私の知り合いは中絶した事を後悔していると言っていた。寂しいからと。寂しいのは子供だと思った。せっかくママに会いに来たのに、親の都合で命を奪われて、悲しい思いをする。
どうか、中絶するくらいなら、子供の事を考えて性行為をして欲しい。
避妊が100%では無いのは子供が産まれようとしているから。それだけは娘の代わりに伝えさせて欲しい。
娘は身勝手な性行為から来る中絶は許さないと言った。私もそれには同感だ。
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