約束の沖縄

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昭和20年5月24日。 宮里たちの出撃の日がきた。 12機の重爆撃機が熊本の健軍飛行場から飛び立つ。 すっかり日が暮れて、あたりは真っ暗である。 無線を使うと、敵に出撃が分かってしまうため、操縦士は計器を頼りに沖縄へと機体を向ける。 12機100名以上の大部隊であったが、途中で4機がエンジン不調のために引き返すことになった。 それでも、8機は沖縄本島に向けて飛行を続ける。 海面すれすれの低空飛行だ。 練習飛行では、鳥にぶつかったり、 波でプロペラが破損したこともあった。 操縦士たちは猛特訓を重ねており、海の上を敵に発見されることなく飛行することができた。 宮里たちが乗る4番機には、航空要員が2名。空挺隊員が8名乗っている。 皆、体中に武器や爆弾を身につけている。
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