*暴走*

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 「来るなあ」 風が来た。 制御できないみたいだ。 竜巻だ。 カマイタチを織り交ぜ、竜巻とごっちゃになって ラボの計器類が宙に浮かび切り刻まれる。 辺り一面の全てが風に取り込まれる。 銀の甲冑の騎士団も宙を舞う。 巨大な竜巻の中心に少女を抱えた少年。 その少女が目を覚ました。 「ゼオン、やめて」 とっさにしがみつく。 自分自身の魔力の暴走から抜け出せずにいる。 「暴走してるわ、やめて死んじゃう!」 それは誰に対しての叫びなのか! カマイタチの連射。 その1つが抱きついた少女の肩を大きく切り裂いた。 「きゃ」 カイも飛び出した。 「・・・ごめん・・ユウリィ・・」とゼオンは泣きそうだ。 ユウリィを切り裂いた途端、風が収まったのだ。 重い機器が音と共に落下する。 「ひどい出血だ、おいラボの連中はどこに行ったんだ」とカイ。
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