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血を吐く父に叫ぶ娘。
また宙を飛ぶ機械が近づく。
「駄目だ・・立てな・・」
「いやいや、お父さん!」
チャキッと太い刀身が娘の頭を狙った。
刀身に炎のような黒い紋様が見える。
宙の相手ではない。剣を握るのは銀の甲冑。
短く刈り上げた白に近い金髪、太い首。
「歯向かうからだ」と父から娘を取り上げる。
「子供は殺しはしない」
凍るようなアイスブルーの瞳が言う。
娘の腕を引いた。
息も絶え絶えでそれでも父は「やめろ!」と言う。
「ほう。死にたいのか」
刀身が父を狙う。
とどめを刺すために。
「カイゼルやりすぎだ」
仲間を止める銀の甲冑の声。
それさえ無視して「やめて」と叫ぶ娘を引っ張った。
ぐいとフードを引かれ、動作を止められる。
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