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「部屋着、返す。スーツはどこ?」
「スーツ?あぁ、返すの明後日でもいい?」
「あ、明後日…!?」
「だって、ほつれてるところあったし、シャツしわついてたし」
それを聞いてかあぁぁっと赤くなる。
いつも手作り弁当だし、ボタン付けれるし、家庭的なところがあるのは知ってるが、
まさか人のスーツを勝手に修繕するとは思わなかった。
アイロンとか苦手なのとか完全にばれてんじゃん!
「クソっ!もういい!郵送でもしてくれ!!」
カバンをバッととって玄関へと向かう。
と、
「仁藤君待って!まだ…」
ガチャっと扉を開ける。
その瞬間。
ぴしゃーんと目の前が光った。
「まだ雷鳴ってるよ」
「ひぃっ!」
耳を塞いでその場にしゃがみこんだ。
「今日はうちで寝ていきなよ」
「や、やだ…」
「なんで?」
「だって…」
「だって?」
誰が好んで男の家に泊まりたいと思うのか。ライバル視してるのに。
といっても雷が止まる気配がない。
「仁藤君が途中で倒れるほうが怖いよ」
しぶしぶ部屋に戻った。
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