お前なんか雷と同じくらい嫌いだ!

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「………ん…」 パチッと目を覚ます。 あれ。ここはどこだ? 職場?にしてはきれいだし、何よりふかふかで温かい。 ふかふか? えっと思って上半身を起こすと、俺はベッドに寝ていて。 隣で寝息を立てている勝己の姿があった。 ……え?? なに、これどう言う状況? 服は部屋着みたいのを着ている。 と、 「…起きた?」 勝己が目をこすりながら俺を見てきた。 相手もラフな格好に着替えている。 それを見て、一気に脳が覚醒する。 「な、なんでお前がいんだよ!!」 「そりゃ、ここ僕の部屋だし。」 「はぁ?」 「びっくりしたよ。突然気絶しちゃうし。仕方ないから僕の家に連れてきた」 「だ、誰の許可取って!!」 「…僕の許可」 意味わからん。 「てか、なんで部屋着てんの、俺」 「だって、連れてくるまでに濡れちゃったから。背は僕より低いけど…まぁ、行けると思ったから僕の着れると思って」 「まさか、お前着せ替えたわけ?」 青ざめながらそう尋ねると、勝己は一瞬固まって少しほほを赤らめたように見えた。 「まぁ、他にいないでしょ?」 「最悪」 「いいでしょ、減るもんじゃないんだし」 相手は少し困り顔。 男に何故着せ返されなきゃいけないのか。しかもさっきの雷の件と言い、醜態をさらしすぎた、 「ふ、ふーん。面倒かけたな。じゃ、俺帰るわ」 「もう?」 「もう。これ以上仮作りたくねーし」 そういって1000円札を財布から抜きだして手渡す。 「お金なんていらないよ」 「あっそ、じゃあ明日なんか飯買ってやるよ」 「だからいらないって」 そそくさと帰る準備をする。
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