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青き瞳が煌めき残光を引く。
(見える)
肩付近から射出されたレーザー状の閃光を身を翻して避け、真下から突き上げられる右拳に足を添え、ポンッと蹴って軌道から外れる。
(ああ……なんだこれ……俺は、俺は今まで───こんな美しい世界に生きてたのか)
世界に満ちる不思議な力。目視不可の自然の力が、今のユラシルには全て見える。
『絶廻』スカイリベルの最後の能力───『ワールド』の可視化。
雪よりも小さい微細な光の粒が周囲に満ち溢れ、ユラシルが手を動かすだけでふわりと揺蕩う。
『ワールド』が見える。僅かな変化も、流れもはっきりと。
ユラシルは視界にある全ての『ワールド』を目視し、その動きから予測して『終局』の攻撃を割り出していたのだ。挙動からの行動の起こりを見るよりも正確な流れは、『ワールド』の集合体である『終局』を見れば一目瞭然。
今やユラシルにとって最も厄介だった瞬間移動すら先読み出来る。いつ、どこへ移動するのかがわかってしまえばなんの脅威にもならない。
『ワールド』使用時の負荷解消。
『ワールド』増幅と高出力。
『ワールド』の可視化。
それら全てがスカイリベルからの贈り物。信じ続けた相棒が身に付けた最高の能力。
だから。
「───見えてるぜ」
頭を先頭に飛び、迫り来る無数の光線と拳を掻い潜ってユラシルは『終局』の胸元へ辿り着き、スカイリベルを突き刺した。
力で形成された『終局』の中に見える"歪み"に。
「今の俺の目には全て見えてる。わかったら出てこいよ───"フィーナ"」
ユラシルの発言に目を見開いたミラとシービス。
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