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踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した踏み出した
───ユラシル・リーバックは最後のリベンジに挑む一歩を踏み出して、倒れた。
「ぃ………ぁ……」
剣を離し、完全に脱力したままピクリとも動かない。ただ、口だけは僅かに開閉し掠れた声の欠片が零れ落ちる。
ユラシルの精神は、つつけば崩れ去るほどにまで脆く、擦り切れていた。
「アハッ!どうしたのユラシル!?さっきまで私を殺すと息巻いてたのに随分辛そうじゃない!何かあったのかしらぁ!?」
愉快に笑うフィーナにはわからない。ユラシルの敗北の数々を。
錯乱した時もあった。
動けず世界が滅びるまで部屋の中にいた時もあった。
立ち直った矢先に仲間たちが殺され、何も出来ず、見ていることしか出来なかった時もあった。
どうせ殺されるならと思い、ユラシルが仲間たちを殺した時もあった。
───けれど、一度だって『終局』にすがり付き、助けを乞うことはなかった。
それだけは、ユラシル・リーバックの魂が許さなかった。
「ユラシル、私を殺すんじゃなかったの?もしかして、折れちゃった?」
返答は、無い。光を失った虚ろな目で伏している子供の姿のユラシルの元へ歩み寄ってきたフィーナは凶悪な微笑みを浮かべている。
ゴギィッ!!と、ユラシルの頭を躊躇いなく踏みつけた。それにすらなんの反応も示さないユラシルの顔に蹴りを入れ、部屋の中を転がす。
「ユラシルゥ、折れちゃったね?なら私に言うこと、あるんじゃないかしら?」
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