第3話 奇跡がもたらす『最強』の上

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『ワールド・ガーディアン』に匹敵する高密度の『ワールド』を注ぎ込まれ続けたこと。そして最大のポイントとなるスカイリベルの能力である『ワールド』の貯蓄。この二つの要素が合わさったことによって出来上がった奇跡。 ユラシルは、『絶廻』スカイリベルを握り全てを理解した。 「俺の影響ってわけか。………スカイリベル、あいつどう思う?」 〈大っっ嫌い!ユラシルが嫌ってるから僕も大嫌いっ!〉 「ハハハ、わかりやすいな」 一人で笑い喋っているユラシルに困惑しているバズギーとメイリーを尻目に、スカイリベルを頭上に掲げる。 「見せてやろうぜ、新しい俺たちの力を」 『絶廻』へと変化したことで『煉光』の時の性能が変化し、ユラシルはすでにその全貌を理解している。だから今さら確かめる必要は無く、存分に使用することが出来る。 「───【最強回帰】」 パキッ、と。 ユラシル・リーバックの体表面に亀裂が駆け抜け、内側から光に押されて砕け散る。 現れた姿は【極致開進】発動状態の大人のユラシル。逆立ち揺らめく緑色の髪、隆起した肉体は最強を体現した物。 ただし一点だけが今までと違った。 閉ざされていた目蓋の下から現れたのは───スカイリベルの刃と同色の空色の瞳。 「………」 一瞬呆然としてしまったユラシルはすぐに歩み出し、その歩みが加速していく。 「ッ、ユラシル…!?」 セインが最初に気づき、彼の視界からユラシルが消える。 直後、ドパァアアッッ!!!と『終局』を吹き飛ばしたユラシルは振り切ったスカイリベルを握り直し、感触を確かめる素振りを見せてから頭上に振りかぶる。
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