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「どういうわけかは知りませんがッ、こうなってしまった以上はやるだけです!皆さんッ!!」
アリッシュ・メイジスタの声が無くとも全員がすでに戦闘体勢。出し惜しみなんて考えていれば死ぬ、それは五人とも理解していた。
そんな中、とある一人に起きた異変に他の四人が目を見開いた。
異変が起きたのは、マリーラだ。
「───クヒッ、キャハハハハハハハハハハハハハハハッッ!!!!」
改造人間のマリーラは死に追いやられた際純粋な殺戮衝動に支配され、標的を殺すために力を解放するスイッチが入る特徴がある。
何故今、この段階でスイッチが入ったのか。
それは人並み外れた感知能力が影響していた。マリーラは『終局』を感知し、誰よりも克明に自身の『死』を悟ってしまった。だからスイッチが入ってしまった。
狂ったように甲高い声で笑いながらマリーラが『終局』へ一直線に駆け出す。狂気を爛々に煌めかせる見開かれた両目は『終局』だけを見据え、誰よりも早く突撃した。
「マリーラに遅れてはダメよッ!続きなさい!!」
ネイフィー・ロッチサーマルの檄を受け、各々駆け出していく。
「余所見してても当てられるわ、そんな巨体ならねえッ!!」
突き付けた金色の銃口から三発の弾丸が放たれ、先を駆けるマリーラよりも早く『終局』に激突。着弾時に竜巻の如き渦巻く爆風を拡散させるネイフィーの【トルネード・ブリット】によって『終局』の巨体がよろめいた。
「キヒャハハハッ!!【天穿】ィッッ!!!」
マリーラの右拳から特大の拳を模した『ワールド』が高速回転しながらネイフィーの爆風を貫き、『終局』の顔面を殴り飛ばす。
拳に殴打され上体が反り上がった。
「支えを崩す!!リュード!!」
「すでにそのつもりだ!!」
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