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向日葵
あの頃、私は女学生で、あなたは、大学生。
戦争が、始まっていた。
あなたに、召集令状が来た。学徒出陣。
ふたりで、震えながら泣いた。
[ 嫌よ。あなたが死ぬなんて ]
私たちは、泣きながら愛し合った。
明日がないかのように、愛し合った。
私の家の傍に、向日葵が沢山咲いている。
夕方暗くなった時、抱きしめ合った。
[ 僕は、必ず帰って来る。約束する。だから、待っていてほしい。わかったね。]
私は、泣きながら頷いた。小指を絡ませて
約束した。
[ 私、待っている。いつまでも待っている。]
向日葵の傍で、抱きしめ合った、次の日
あなたは、行ってしまった。
向日葵の傍で、あなたはきらりと光る
ダイアモンドの指環を、嵌めてくれた。
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