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「慶汰ー!鷹汰ー!いるかー!?」
いきなりリビングの扉が開かれ入ってきたのは慶汰達と並ぶくらいイケメンの男性で、冬夜はビクッと驚きで体が跳ね上がってしまった。
イケメンは慶汰と冬夜を交互に見ると真剣な表情で口を開いた。
「お前、男同士で絡みを撮影しているからって…本気で男を好きになるなんて…」
「ちげぇーよ!!友達だ!!友達!!」
「隠さなくていいし、てかお前までスキャンダルを起こすなよ?」
「起こさねぇし人の話を聞けよ!マネージャー!!」
慶汰の言葉でイケメンの正体が慶汰達のマネージャーと分かると冬夜はソファーから下りて、頭を軽く下げるとマネージャーもニッコリ笑って頭を下げてきた。
「ごめん、慶汰は今日この後仕事があってね…ただ隣の部屋の鷹汰の部屋はもぬけの殻だった」
「はぁ!?あいついねぇの!?」
仕事の話をする2人に邪魔かな…と感じた冬夜は荷物を取って帰ろうとしたが…いきなりガシッと腕を捕まれてしまい振り返るとマネージャーに顎を掴まれてじーっと顔を見つめてきた。
慶汰が色々文句を言っていたが、マネージャーは無視して冬夜の隅々まで見るとニヤリと怪しげな笑みを浮かべた。
「なぁ、ちょーっと時間ある?」
「へ…?」
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「この子、めちゃくちゃ素材いいわよー!!」
何故か冬夜は撮影スタジオに来ていた。しかもヘアメイクもされていて慶汰とマネージャーにこの状況を聞こうとしたが…ゴリゴリマッチョのオカマなヘアメイクさんに止められてしまい何も聞けなかった。
そしてやっと解放されると、マネージャーが来て冬夜を見てニッコリ笑った。
「うん、めちゃくちゃ似合ってるじゃん!」
「な、何で俺がモデルを!?」
「鷹汰…あ、慶汰の双子の弟な。連絡がつかなくてよ、その代わりを頼むわ!顔は写さないようにするしメイクや加工でバレないようにするから、もちろん謝礼も出すからよ!」
そう言われたが冬夜は不安しかなかった。
マネージャーに背中を押されてスタジオに入ると、先にヘアメイクを終わらせてカメラマンと話している慶汰とばっちり目が合ってしまった。
「いきなりごめんな、冬夜。巻き込んじまって…」
「い、いえ…大丈夫ですが…俺はどうしたら…?」
「顔は写さねぇから言われた通りのポーズを取ってくれるだけでいいからよ、メインは俺だから、な?」
優しく頭を撫でてくる慶汰の表情は申し訳なさそうな表情をしていて、冬夜は決心すると「分かりました…」と伝えた。
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