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しかし冬夜は甘すぎた!と後悔してしまうのであった。
双子の写真はいつも絡みがある写真でかなり密着をしての撮影だらけだった。
顔が見えないから冬夜は顔や耳を真っ赤にしながら撮影に挑んでいた、チラリと慶汰を見るといつも雑誌や広告などで見ていた顔をしていてドキドキしてしまった。
(俺、今、めちゃくちゃドキドキしてる!大丈夫かな…俺の胸の音聞こえてないよな!?)
「冬夜」
「は、はひ!?」
いきなり声をかけられて声が裏返ってしまうと慶汰からクスクスと笑い声が聞こえて、冬夜は恥ずかしくなってしまった。
「いや、すげぇ緊張してるなって思ってよ」
「そりゃあそうですよ」
「まぁ、撮影だしな」
(それもですが!!慶汰さんとこんな密着しているのが恥ずかしいんです!!)
このままだと色々まずいと感じた冬夜は無心になりながら撮影に励んでいると…カメラマンと偉そうな人が真剣に話しだして、冬夜はきょとんと目を見開き首を傾げた。
すると慶汰だけが呼ばれて待っていると「いや!それは!!」と慌てる慶汰の声が聞こえてきた。
そして冬夜も呼ばれると衝撃的な事を言われてしまった。
「いや、申し訳ないんだけど…キスシーンを撮りたいんだ」
「キ、キ、キスシーーーンンン!!??」
まさかの事に驚いていると慶汰が冬夜を庇う様に前に出て声を上げた。
「いや、鷹汰はともかく!冬夜は一般人ですし男同士のキスなんて」
「でも慶汰くんと鷹汰くんのキスを広告で使いたいと言っていたから…」
カメラマンと偉そうな人の困っている表情と慶汰の申し訳なさそうな表情に冬夜の胸は締め付けられてしまい、少ししてから声をかけた。
「俺、構いませんよ?」
「おお!」「冬夜!?」
頭を何度も下げてお礼を言ってくる2人とは違い、慶汰の表情は辛そうで冬夜は服の裾を掴んでくいくいと引っ張った。
「冬夜…大丈夫か?俺、キスする振りでも…」
「いえ、慶汰さんの写真を楽しみに待っている人もいると思いますので、中途半端なんて出来ませんよ」
(それは俺も…だから…)
撮影を再開すると慶汰の手がゆっくり冬夜の口から上を隠すように頬に触れてゆっくり顔を近づけると触れるくらいの優しい口づけをしてきた。
いつもの写真では想像つかない優しい口づけに冬夜も嬉しそうに口角を上げてしまった。
口が離れると今度は顔の角度を変えてまた触れるだけの口付けをしてきて、冬夜の目はトロンと蕩けだしていた。
「…け、いたさ……」
「っ…!」
口を開いて小さな声で相手の名前を呼ぶと、いきなり腕を掴まれて慶汰の首の後ろで手を組むようにされてしまった。
まるで恋人同士みたいな……。
「はい、いいよ!お疲れ様!慶汰くん!いつもと違って良かったよ!冬夜くんもありがとうね!」
「あ、いえ…」
カメラマンに止められるとすぐに慶汰は確認に行ってしまい、冬夜は慶汰の唇の感触にドキドキしっぱなしだった。
「慶汰、顔真っ赤」
「うっせー…」
マネージャーから指摘をされた慶汰の顔は真っ赤になっていた。
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