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植草からの大量メッセージ
(植草も、同じなのか)
岡田は嬉しくなって、思わず笑顔になる。返事を打とうとしたところで、手が止まった。
「……なんて書けばいい?」
植草のことを考えると、胸が苦しくなってきた。
「いま思ったけど、告白するチャンスだったよな……」
ため息をついて、ベッドで寝返りを打つ。
キスされたときはびっくりした。そのあと植草から恋人になろうと言われたときに、自分の想いを告げればよかった。
「好きなのに、変なかたちで恋人になっちゃった……いいのかな……好きなのに……」
そのまま岡田はうとうとした。
どうやら、スマホを握ったまま眠ったらしい。起きたら、朝になっていた。
スマホには、こう表示されていた。
『好き』
「え、なんで……!?」
つぶやいているうちに、無意識にスマホで打ち込んでいたようだ。
岡田が送ったメッセージに既読がついている。
植草からの返信は……。
『それは恋人としての意味なのか?』
『そうなのか』
『僕はまだ、きみを好きかははっきりわからない』
『でも、きみにはいろんなことをしたい』
『あれ、これは変態的な意味で、きみを好きなんだろうか』
『いまのなし』
『あ、メッセージは消せないのか』
『きみをどうにかしたいのは本当だから、消さなくてもいいか』
『さっきのきみを思い出したら、眠れないんだ』
『体の変なところが変な状況になる』
『僕も男なんだって自覚した』
「僕も男なんだって、どうなったんだよ、植草ー!?」
岡田はスマホをスクロールさせながら、叫んだ。
植草から最後にメッセージが届いたのは、午前0時頃だった。
(俺の体に、植草は興奮したのか?)
岡田は自分の唇に触れてみた。まだ少しだけ、キスした温もりが残っているようか気がした。
(俺は……どうだろ)
岡田はズボンの中に手を入れて、性器をそっとふれた。いつもと変わらない。
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