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最高のファーストキス
「座って」と言われ、そばに行く。植草が近づいてきたので、キスされるかと思った。
けれど植草は優しく、優しく、岡田を抱きしめた。岡田を腕のなかに閉じこめて、つぶやいた。
「にぶくてごめん。きみの本当の恋人になりたい。好きだよ、岡田くん」
「うん。俺も植草が好き」
植草に顎を掴まれた。あの日と同じように。キスはすぐに深いくちづけへと変わる。
顔を離すと、植草は眼鏡を押し上げた。
「告白して、キス。これが僕が導き出した最高のファーストキスだ」
「大正解だよ!」
岡田は植草の背中に腕を回した。
「植草」
「うん」
「俺も好き」
「わかってる。ありがとう」
岡田は植草にキスをした。
初めて、自分からキスをした。初めて、想いが通じ合ったキス。押し倒された。体を弄られる。
「ん、ん……あ、あぁ」
前にふれられたときよりも、感じる。声の甘さは、更に増した。
植草の手が、臍の下、太腿、内腿、付け根と、より際どいところを辿る。
「あ、ん……うえくさ、待って……あ」
(植草って、こういうことはせっかちというか、前のめりだな……)
植草には遠慮してほしくない。
けれど自分たちは、二段飛ばしで恋愛の階段を進んでいる気がした。それとも、これが愛し合う普通の速さなんだろうか。
体が熱くなってくる。ふれあう植草の体も熱い。
「もっと、見たい……きみの顔……」
「や、あ、あぁ……」
体の中心を服越しに摩られた。
腰の奥が疼いてくる。悶える岡田を植草は押さえつけた。
植草の手の動きは、明らかな意図を持っていた。岡田を昂らせようとしている。
「あ、あぁ……ん、ん……」
刺激が強すぎて、岡田が悲鳴にも近い喘ぎを放つと、優しいくちづけを与えられた。
植草が体を起こした。岡田の手を引っ張る。ふたりはベッドに横になった。
「岡田くん。……いいか?」
「いいって……あ、あぁ、なにが……あ」
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