40人が本棚に入れています
本棚に追加
きみの中に入りたい
「きみの中に入りたい」
「え!?」
「僕のものになってほしいんだ」
「……うん、いいよ」
「本当?」
「うん……」
(どうしよう……男同士って、どうするかよくわからない……)
「でも……心の準備が……」
「大丈夫だよ。ゆっくりするから」
「う、うん……」
植草が微笑む。
その笑顔は天使みたいだった。互いの服を脱がせ合い、唇をかさねた。
「たくさん……キスしたい……」
「うん、ん……しよう」
植草は眼鏡を外した。
「植草、見える?」
「うん。近くにいるからわかるよ」
岡田は、裸眼の植草をじっと見つめた。レンズ越しではないからか、いつもより眼差しが鋭く見える。
植草の凛々しい顔に、岡田は胸が高鳴った。
初めて、一糸まとわぬ姿でふれあった。混ざり合う唾液の音が部屋に響く。
くちづけを交わしているうちに、体はどこまでも火照ってくる。
(いまから抱かれるんだ……植草に……)
一線を越えると意識したせいか、昂ってくる。
首筋に植草の舌が這う。くすぐったくて震えていたら、唇が体のラインを辿っていく。
「……あ、あぁ」
どこをさわられても、舐められても、変な声が出てしまう。
植草は岡田の中心を摩りながら、窄まりに指を這わせる。
「痛かったら言って」
「わかった……」
(痛いのか? やっぱり)
不安になる。
けれど、植草は優しかった。前への愛撫で体はとろけている。後孔の緊張もほぐれてきた。
「挿れるよ」
「ああ……ん、んっ」
ぐっと押し込まれる。痛みはない。ただ圧迫感があった。植草は動きを止めた。
「大丈夫?」
「ん、うん……」
本当は大丈夫ではなかった。苦しくて、うまく呼吸できない。
(でも、植草に抱かれたい……終わらせたくない……)
「もう少し奥まで入れるよ」
「あ……あ」
ずぷりと、植草のすべてが収まった。
「入ったね……」
「……うん」
岡田は息をする度に、中にある植草のものを感じた。繰り返し、植草がキスをしてくる。岡田は弱々しく、くちづけに応えた。
唇を離すと、植草は岡田の頬を撫でた。岡田の腰を抱える。
「動くよ」
最初のコメントを投稿しよう!