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ラスト・セブンデイズ
『2022年7月31日 日曜日。
お買いものに行こうと思って横断歩道をわたろうとしたら、空からセミっぽい男の子が落ちてきました。
自分でも何を言ってるんだと思うけど、本当のことなんだからしょうがないです。
最初は、「変なコスプレしてるな」と思いました。
最近は少しへったけど、近所の大きなホールで、コスプレをするイベントが時々あります。
そういう時は、ご近所が、不思議なかっこうの人であふれることになるのです。ひらひらしたお姫様みたいなスカートをはいてる人とか、ゴジラみたいなかいじゅうの姿をしてる人だとか。
だから、その子もコスプレしてるんだと思ったのでした。
私はクラスでも一番体が大きいし、運動しんけいも良いから、けがしたらいけないと思ってうけとめてあげました。
すると、落ちてきた男の子は、頭に生えた小さなしょっかくみたいなのをピコピコと動かして、「ありがとう」って言ってきたのです。
それを見て、私はびっくりしました。
その男の子のしょっかくは、どうやら本物であるようです。しかもよくみると、背中にははねみたいなのも生えているのです。
彼は言いました。「ぼくは、アブラゼミなんです」と。』
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