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「しあわせっ……」 咲の背中にギュっと手を回す。 「おれも……っ」 その瞬間、咲も力いっぱい抱きしめてくれる。 「でも、海ごめんな」 「しょうがないよ、咲が悪いんじゃない、部活だし」 「でも来年は必ず行こう。俺たちの2年記念日に」 「そだね、でも引退してなかったら行けないよ?」 「確かに、でも引退してないってことは、試合に勝ち進んでるってことで、それはそれで、俺は最高なんだけど」 「んっ?なんか言った?咲……」 少しふてくされた顔で咲の顔を見上げれば、焦った顔をして「いや、なんでもない」と苦笑いをしている。 分かってる、咲のバスケバカは…… そもそもバスケをしている姿にあたしが惚れ込んで、いつも見つめていたんだから。 「嘘だよ~でも、その日に試合がかぶったりしたりしたら、そうとうバスケ嫌いになるわ」 「……んなこと言うなよ、じゃ、分かった練習だったら一緒に休もう!!」 「え?本当に?いいの?」 「うん、今年なんもできなかったから」 そう言うと、あたしの首に付けてくれたネックレスを手に取ると、数字の❝7❞の部分にそっとキスをした。 「ナツキがいなくなったら、それこそ俺はバスケできねぇからさ」 「え?」 「いや、なんでもねぇよ」 頭をまた、ポンポンを叩いてくれると、あたしの頬が赤くなっていくのが自分でもよく分かった瞬間だった。
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