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プロローグ
世の中の縮図が分かってしまったのは、十五歳の誕生日の時。
その時まで私はとっても純粋で、母が演出する世界が現実であり、母の助言に従えば全てが上手くいくと思っていた。
ところが、私の誕生日パーティーに来た一人の男の子の言葉がきっかけで、バラ色だった私の世界はもろくも崩れ去ってしまったのだ。
人々が私に向ける賞賛の言葉を真に受けて、喜びの笑みを浮かべた私を、人々は心の中でなんて単純で無知な子供なんだと笑っていたに違いない。
今までの自分の態度を思い返すと、身が震えるほどに恥ずかしい。
私、天久澪実は甘いおとぎ話とは決別し、将来自立して生きられる強い人間になろうと決意した。
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