ゆるすもゆるさないも

終幕

「それで、『書家』は最期を迎えたのかね？」

「いえ、寝落ちしただけです」

「！”＃＄％＆’。地球人は予想よりも丈夫な生命体なのかな」

「いいえ：；＋＊＜＠＞。言葉を制限されてきた彼らは宇宙ガガンボよりも脆弱な生き物です。もうほんの少しの言葉の暴力にも耐えられないでしょう。けれども言葉を奪えば彼らはさらに早く破滅へと向かいます。そうならない為にわずかな刺激は必要なのです。さじ加減を間違えないよう監視します」

「そうしてくれ。難儀な任務だな」

「いいえ、この仕事は嫌いじゃないです」

こうして今日も、地球人の運命は『ゆるさない』こと！”＃＄％＆’に委ねられている。

【完】