不運

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不運

私はサッカー部に所属している。 3年生なのでもちろん中体連が引退試合だ。 こんな自分でも副キャプテンを務めている。 チームの気持ちも高まってきていた中、 神様は私に試練を与えた。 ちょっとしたことで頭を強く打ち、脳震盪を起こしてしまったのだ。 軽傷ではあったが、嘔吐と頭痛に襲われて大きい病院を受信した。 結果、最後の大会には出ることが出来なかった。 なんと惨めなことだろうか。 心はずーっとモヤモヤしていた。 勉強にも身が入らなかった。 そんな中、あの井口先生は私の異変に気づいたのか声をかけてくれた。 まぁ、最近受けたテストで特に苦手な国語でクラスでもブッチギリの最低点を取ったからかもしれない。 「林さん、最近どうしたの〜」 「国語でわからないとこあった?」 「いや、実はですね…」 どうせなら聞いてもらおうと、最近あった不運な出来事について語ってしまった。 保育園の先生が園児の話を目をしっかり見て頷きながら聞くように、先生は聞いてくれた。 「そりゃ大変だったね。」 「アドバイスも何もできないけど、話を聞くだけならいくらでもするからまたいつでも言ってね。」 「それも先生の役目に入ると私は思うから。」 そういいながら、目を線にして先生は笑いかけた。 私の心のモヤモヤは消えたようだ。 塾を出ると、また雨が降っていた。 いつもより雨足がすこし強いように感じた。
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