不運

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不運の出来事から早2ヶ月。 塾の仲間や先生にもかなり慣れてきた。 普通の人なら、慣れるのに1ヶ月で十分だろうけど。 井口先生とは特に仲良くなった。 塾の先生と「仲良くなった」とはいかがなものだろうか。 とも思うけれど、2人の関係は先生と生徒というものとも少し違うような気もした。 年の離れた友人のようだった。 「先生、寝不足ですね?クマヤバいっすよ。」 「え、やっぱわかる?林さんがどうやったら 国語得意になるか考えてたら朝になってた笑」 「嘘つきー」 「そんなこと考える訳ないですよね?笑」 ご覧の通り、ほぼ同級生との会話と遜色ない。 明日は模試だ。 せめて国語はいい点を取らねば。 そう思いながらふと、窓から外を見ると、真っ黒な雲が急速に広がっていた。
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