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未練の確認
突如僕の部屋に謎の男、いや男女は分からないけど、タキシードとシルクハットを身につけていて、顔はなにかで隠しているな。
「な、何だあんたは⁉警察を呼ぶぞ!」
「お待ちください、高橋翔様ですね」
「そ、そうだけど。あんたは一体⁉」
「申し遅れました、私は死神のアンジと申します。未練の解消に参上しました」
し、死神、未練解消?これは夢か、もしかして本当に呪い殺されて今生死の境目にいるとか?
「ご安心ください、高橋様はまだ生きておられます」
「あんた僕の心を読めるの⁉っていうか未練解消って何?」
「言葉通りの意味でございます。あなたの未練解消の為に参上したのです」
未練っていっても、僕の場合は未祐に告白できなかった事と、未祐と溝ができてしまったことだけど、まさかこの死神と名乗る胡散臭い奴が解消するの?
だけど2階にはしごも使わず母さんにも気付かれずに入ってこられたという事は本物の死神かもしれないな。
「えっと、アンジさんだっけ?」
「アンジで結構でございます、人間様にさん付けされるなど恐れ多いです」
恐れ多いくせに人の家には不法侵入するのか?意味の分からない奴だな。
「じゃあ、アンジ、本当にあなたが僕の未練を解消してくれるのか?って事は僕はもうすぐ死ぬのか?」
「まあその話の前にまずあなたがどうしたいかを教えていただいてもよろしいでしょうか?」
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