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第一話 逃げ隠れする
優しいウソをつかれた。
それが例え私のためだったとしても、決して許すことができない。
振り返ってみると、自分に起きたことの全てが仕組まれていたことのように思えてしまう。
「あんな男きれいさっぱり忘れちゃいなよ」
彼に言われたことを重く受け止める私に、親友のは明日香はそんなんじゃ先に進めないよと私の肩をポンポンと叩く。
「僕のことを理解してくれてありがとう」
あなたはそう言ったけど、私はちっとも理解なんてしていなかった。
「これ以上、七海の世話になるのは悪いから・・」
調子のいいことを言って、私をあなたの世界から排除したかっただけだ。
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