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コロシアム
"おぉぉぉぉ!!!"
"わぁぁぁぁ!!!"
と奥から歓声が聞こえる
「もう、盛り上がってんのかよ」
俺はロッカーをあけ、貴重品等を入れていく
それから鍵を閉め、隣のロッカーから黒いソレを手に取る
ずしりと重いソレは、よく手に馴染む
使い慣れたやつとは、こうゆうことを言うんだろう
「朝から、よく、あんなに興奮出来るわよね」
隣の同僚が自分の鈍く光る先の尖ったソレを磨きながら言う
「金持ちが考えてる事は分からん」
「私も分からないけど、仕事は楽しいからいいんじゃないかしら?」
同僚は磨き終わったソレを袖に隠すように閉まった
「そーゆーもんかねぇ」
俺も自分の重たいソレを腰のケースにしまう
「ねぇ、リスト何人?」
「5人。どいつもこいつも殺人、まぁ、理由があるだけマシな奴かな」
「私、3人よ?変わってぇ?」
同僚はキラキラな瞳をする
「お前、マジで仕事好きだな...変われたら変わってやりたいわ」
「だって、正義の人殺しよ?天職だと思うわ」
人殺しに正義もなにもないだろう...
まぁ、同僚にはそれを言わない
俺達は仕事がある門をくぐる
歓声が更に大きくあがった
最悪で最高な、お仕事タイムのはじまりだ
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