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始まりは冬の季節、誰かのくしゃみから始まる。…唐突に。
「…びゃぁくしょぉおおおいぃ!!!!!!」
「は?きたな、せめて私の方向かずにしろや」
「……俺には衝動というもんに勝てんのでな、俺ではなく俺の鼻に物申せよ」
調子に乗っている人に対し美女がパンチを喰らわすと、「ぐはぁッッ」と大袈裟にやられてくれていた。…これはいつもの光景だから、流石に慣れていた。
けれど予想外だったのはこの後、ふと僕のいる方角を見たクソが「…あー、イラッシャッセ」と言ったのだ。
…さて、いきなりだけど君達は多分思っているだろう。「なんだこいつ?」と、「お前誰?」と。
あぁ、君達というのはあいつらの事では無く、僕の言葉を目で聴いているであろう君達の事。多分そうだろ?…まぁいくら頑張ろうとも考えは読めないけれど。
まず、僕の正体について、
実を言えば………幽霊、だ。
というのは冗談。
…本当のことを言えば、とある人に乗り移っている、といった感じだ。
どちらにしろ変わらないだろうと思う人もいると思うけど、正直今この状況を言葉で説明できない。本当に不思議な感覚なんだ。
…整理しないと落ち着かない性格は本来の僕と変わらないみたいだ、ごめん。
次に、そもそもここは何処か、こいつらは誰か。
…それは僕もわからない。といっても、見た感じコンビニの店内という事、女性の制服のネームプレートに「斎藤」と書かれている事くらいしかわからない。くしゃみをしていた男の制服にもネームプレートらしきものがあるが、腕が視界を塞いでいる。
一体何処の誰だろうか、僕が見えるなんて。是非ともそのネームプレートを見たいものだ。
…最終的にまとめれば、もと男性の人間だった僕が幽霊?になった…のかわからないが、気が付いたらここにいた感じだ。
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