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先輩が幼なじみ
高校生になって2ヶ月が過ぎ、クラスメイトや部活にも慣れてきた頃のこと
「 おい!歩美早くしろよ 」
玄関先で口を尖らせて、わたしをせかしている西野颯太は、わたしと歳がひとつ違いの幼なじみ。
「 だってしょうがないじゃない、体調不良の日なんだから 」
わたし、杜村歩美 15歳、東西高校の1年生、同じ学校に通う2年生の颯太が、いつものように家に迎えに来てくれたのだ。
「 だったら休んじまえよ 」
「 ひどいな、ダメ!、来週からテスト始まるし、それに… 」
「 それにって、なんだよ 」
「 べーつに!」
「 じゃあオレ、先行ってるわ… 」
先に行ってしまった颯太
「 ちょ、ちょっと待ってよ!…いいのぉ?あのこと、颯太のお母さんにバラしちゃおう!」
わたしの言葉が聞こえたのか、慌てて引き返し戻ってきた。
「 ち、ちょっと待てよ! 」
「 行ってきまーす! 」
「 じゃあ、颯太さん、はいッ、コレよろしくね 」
「 さん?… 」
体調不良の日は、リュック以外のものを全て颯太に持ってもらうのだ。
「 なんだよこのバッグ、めちゃ重いし、何入ってんだよ 」
「 気にしない気にしない、いこッ! 」
「 気にするだろフツーおい!待てよ! 」
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