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「真弦、そろそろゲームやめないと先生がくる。」
「待ってすずあと一匹でクエストが…ぁああ」
クリアを目前としたときに何者かの手によってクエストクリアが阻まれた。
その原因となった奴の手には僕がつい先程まで緊張で固く握りしめていた宝が収まっている。
なんてことだ。あともうちょっとでクリアできたのに…。やっとあのシスターの癪にさわる死亡時の慰めとおさらばできると思ったのに、すずが…
「そんなに睨んでもダメ。さっきから何回もおんなじこと言ってるのに真弦全然聞いてくれなかったじゃん。お説教確定です。それにもうちょいで4時間目始まるよ?」
「でもでもでも、今回のすっごい難しくて何回もやり直して何回も死亡時の慰め食らったクエストがもうちょっとでクリアできたんだよ?だからクリアするまでのちょっとぐらい待ってくれても良かったじゃん…」
「うぐぐっ、たしかにそれはわからなくもないけど…」
「でしょ!?さっすがすず。ゲーム好きの君ならわかってくれると思ったよ。てことでお説教は「それとこれとは違うでしょ」
「😱」
「校則的には大丈夫なことにはなってるけど授業始まるときにやるのはだーめ。約束したことでしょ?だからお説教は避けられません。
僕のお説教ちゃんと受けたら寮に帰って隣で一緒にゲームやってあげるからさ?ね?」
寮で一緒にやってくれるって…?それなら、すずはこのクエストもうクリアしたらしいしアドバイス貰えるんじゃ…
「約束だよ?絶対だからね?」
「ちゃんと守るからほらゲームしまって。」
「うぃー。」
「……………。」
「……?」
あれ?いつも返事はちゃんとしなさいって言うのになんで静かなの?
そう思いすずの顔を見上げると、すずの視線は廊下を見ていた。
廊下?なんで廊下なんか見てるの?
いつも廊下騒がしいからすず全然気にしないはずだけどなにか気になるものでもあるのかな。
ふと好奇心にかられた僕は廊下の方へと向かう。
「え、ちょ、真弦!今は…!」
後ろですずの声が聞こえた気がするけど先にこっちだよね。やっぱ気になるものはちゃちゃっと見ておかないと。
そう思い教室から出ると
「生徒会…?」
なんで生徒会なんかがこの階にいるんだろそれにあの騒がしい黒色の塊は…?
「あの……!三条様!」
黒色がなにか気になり見つめていると声をかけられ意識が戻る。
?この子はたしか同じクラスの冴鞍くんかな?この子とは話したことない気がするんだけどどうしたんだろ
「冴鞍くん?だったよね。僕がなにか?」
お顔が真っ赤になって震えてるみたいだったからできるだけ怖がらせないように優しく微笑みかけるよう心がける
「ひぃぃい、三条様が僕に笑いかけてる…なんてお美しい……」
「隊長、今はそんな場合では…それにそろそろもじゃびんが…ボソ」
「( ゚д゚)ハッ!すまない。三条様のお美しさに…。ボソ」
なんか隣の子と話してるかんじだけどなんで僕声かけられたの…微妙に気まずくなるんだけど
「あの〜?」
「あ、申し訳ございません!あの実はですね現在この廊下大変危険な地帯となっておりまして、御身のご安全のために一時教室の方へ避難をお願いしたくお声がけしました。」
「でも生徒会の人いるよ?」
僕なんかより断然顔がいい人いるのに避難僕が優先されちゃうとか親衛隊の人に背中後ろから刺されちゃうよ。
「あんな猿軍団よりも我が女神のご安全の方が……」
そう語る冴鞍くんからふと目を離すと黒色の塊と目があった。
え?目があった?あの黒色のやつ人間だったの…?びっくりなんだけど。観葉植物かなにかかと思ってた。でもまあ観葉植物があんなバカでかい音上げるなんてありえないか。
それにしてもあの黒色さっき目があってからこっちにどんどん近づいて来てる気がするけど気の所為だよね。うん。
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