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「あーーー!!そこのお前ー!」
うわぁ気のせいじゃなかったーー!
完全にこっちロックオンしてる。
黒色のやつ全然目そらさずにずっとこっち見て走ってくるんだけど怖すぎるでしょ。
「た、隊長、!も、もじ、も、じゃびんが…!」
「( ゚д゚)ハッ!て、え!?もしかして三条様が見つかった!?」
「はい、完全に三条様に狙いを定めてます。どうしましょう」
「どうするも何も全力で三条様をお守りせねば…!」
「た、隊長、、!(感動)僕もついていきます…!って隊長ーー!?」
あ、冴鞍くんと隣にいた子流されて行っちゃった。
僕も一緒に流れていきたいけど前の方にはもう生徒会の親衛隊の人たちがいて近づけない…。生徒会の親衛隊の子たちってみんな背がちっちゃくて華奢で可愛い子たちばっかだからその中に入るとかちょっと申し訳ない感じがするんだよね。
あれ?そういえばすずは?どこいるの?
そう思った僕が周りを見渡すとすずが僕の後ろの集団の方でぴょんぴょんしてるのが見えた。
あーこれはもう、だいぶ離されちゃってるしこの中を助けてもらうのは無理そうかな。それに…
「お前すっげえ綺麗だな!!!名前なんて言うんだ!?」
噂の黒色のやつ、僕の前にいらっしゃ~い状態になっちゃったしね。
想像以上の爆音に僕の鼓膜破れそう。
それにしてもさっきから黒色のやつについてきた生徒会?の人たちずっと僕のこと睨んでるけど絶対これめんどくさいやつじゃない?うわ、最悪すぎでしょ。色には決して罪はないとわかってはいるけどこれだけ不幸もたらされたら流石に黒色を恨まずにはいられないわ。絶対今日の見てはいけない色トップで黒色だよ。今日の占い見てないから知んないけど。
「なあなあ、名前は!!!なんて言うんだよ!!!」
あぁもううるさいこいつ。
「やあ、僕山田。山田って呼んでね。ニコッ」
「山田って言うのか!!!!」
うん。そう。山田って言うの。だから早く帰ってよ。
「下の名前はなんて言うんだ!!!!???」
あぁもうこいつ嫌いだわ。嫌いな人とは表面だけでも仲良くしましょうとかのレベルじゃない。もう、混ぜるな!危険!みたら反対側へ急いで逃げてくださいレベル。
「下の名前は太郎だよ。よろしくね。そろそろ4時間目始まるから僕は教室戻るね。じゃあね。」
「おかしいですね、あなたのその顔でランキングにのらないのはありえないんですが、山田太郎なんて名前は聞いたことありません。」
しつこいぃ!
えーと今僕を呼び止めたのは、誰だろあれ、眼鏡?あー眼鏡のやつはたしか副会長だった?
まぁ誰でもいいけどさ!?もう戻るって言ってるんだから余計なこと言わないでよね!ランキングって抱きたい抱かれたいランキングとかそんな感じのやつでしょ?僕がそんなのにのるわけないじゃん。
「見間違えじゃないですか?」
「「えー」」
「「そんなことないよー!」」
今度は双子?何この人たち。空気読む力皆無じゃん。
「僕たち」
「覚えてるもん」
「君は確か」
「抱きたいランキング1位」
「抱かれたいランキング3位」
「「三条真弦君だよね!」」
最悪…。名前言いやがった。てか僕そんなにランキング高かったの?ラン外かと思ってた。あ、ネタ枠的な感じ?それだったら納得。
「太郎お前嘘ついたのか!!??嘘は友達についたらいけないんだぞ!!」
またうるさいやつが出てきやがった。さっきまで静かだったのになんで騒ぎ出すわけ?もうわけわかんない。
「あーごめんね?授業もうちょっとで始まるから焦って僕自分の名前忘れちゃってたんだ。」
「太郎じゃなかった真弦?はおっちょこちょいなんだな!!俺は優しいから許すけど次は気をつけなきゃだめだぞ!!!」
どっから目線でこの子喋ってんだろう。優しいの判断基準バグってるよ。
「うん、ほんとごめんね。それじゃチャイムなっちゃったし僕もう行くね。」
そう言って僕は人の波に紛れ込むようにして逃げた。
はぁ、なんか一気に疲れた気がする。
「真弦っ!!!」
「うわっ、ってすず」
「すず、じゃないよ!助けれなくてごめんね!」
そう言って抱きついてくる僕より身長の高い男を抱きしめる。
「…………。」
「すーず?どしたのー?」
「ちょっと今へこみ中。」
そう言いながら僕の肩に顔埋めてくるこの姿、可愛すぎない?もうそんな君には撫で撫でをプレゼントだよ!
「すずは可愛いなァ〜!!よーしよしよし」
「むーー………。」
「なんだよー?まだ気にしてるの?」
「うん………。」
「そんなこと気にしなくても大丈夫なのに。それに今日はもう帰ってくれたし結果オーライ的な?」
「でも、僕が助けれなかったせいで真弦の名前あいつらに知られちゃった…。」
「いずれはバレちゃうことだったし別に大丈夫じゃない?」
「あんな下等生物、いや生物とは言えない未知の物体に真弦の名前を知られるのが僕は許せないの。真弦が穢されちゃうじゃん。」
「ま、まあまあ。そこらへんで落ち着いとこ?授業うけないとでしょ?」
「うん……。」
「じゃあ、そろそろ戻ろ?」
「うん…。」
落ち着いたすずの頭をなでながら僕たちは教室に戻った。
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