12人が本棚に入れています
本棚に追加
「長助、私が居ない間になんか仕事の依頼あった？」
「残念ながら。いつも通り人生相談とか占いのお客さんか、あとは普通に呑みに来る人ばかりだったよ」
トンっと器を置き、にっこり笑顔でそう返してくる。
「あー…やっぱり脱サラなんてするんじゃなかったかも。早まったなぁ…」
口づけた温かい味噌汁に癒されつつも、そんな愚痴が出てしまう。
「まぁ、いいんじゃない？BARの売り上げでどうにかなってるんだし」
「痛いとこグサグサ刺してくるわね…」
「仕方ないでしょ。
生きていくにはお金は必要だし梓ちゃんも力を保つためには食べなきゃなんないわけだし」
シレっと放つ言葉に、若干の棘を感じた。
、
最初のコメントを投稿しよう！