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彼らの近況と状況を照らし合わせれば答は簡単。
「高村さんにはいくつか生霊が憑いているんですが――それは高村さんに憑きたくて憑いてるワケではないようですね。」
「えーっと?・・・・どういうことですか??」
「高村さんが寄せてしまう体質なものだから、お隣の桐谷さんに本来憑きたい生霊があなたに憑いてるだけです。」
「えぇっ!私の!?」
悲鳴に近い声を上げた彼女はうろたえていた。
宥める高村はまだ信じられないのか、私に
「本当ですか?今日が初対面なのになんでそんなこと言い切れるんですか?」
と、疑惑の目を向けてきた。
(そんな目、慣れてるケドね・・・)
「別に、信じたくないなら信じなくてもいいです。
ただあなたのプチ不幸?は、生霊が彼女と会いたくて起していたもので―――」
「そんなわけあるかっ!!!」
ダンっ!!と、テーブルを殴り付けるほどに彼は憤慨していた。
「…ちょっと、人の話は最後までききなさいよ?」
「は?なんで??なにを!?
どーせ俺らの事故の後偶然会ったとかそれでこの店に来た話し聞いて上手いこと辻褄合わせただけじゃんっ」
「だからそれは生霊が…」
「いこう、桐谷!こんなインチキなおばさんの言ってることなんか信じる必要ないしっ!」
説明しようとする私を遮って
彼女を無理矢理に立たせた彼はカウンターに千円札を叩き付けてそのまま出て行ってしまった。
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