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そんな出来事があったのも遠く忘れかけていたある日。
見覚えのある女の子がまだ開店前の店を訪れた。
「あの!相談があって!」
開口一番に余裕のない震えた声で、なんとなく自分の予想していた事態になったんだな、と納得。
「どうかしました?あ、とりあえずあっちの個室にどうぞ」
促してカーテンで仕切る。
聞けば、例の彼が事故で入院しているという。
「それは災難だったわね。…ところで、アナタと彼、事故の前から会う機会減らしたりしてなかった?」
「そうなんです…俺は強運だから死なないって言って、それで距離置かれて・・・・」
ぅわっと泣き出した彼女は
「もしかしたら今回の怪我も私のせいなんですか?
・・・どうしよう、もし、死んだりなんかしたら…」
「怪我って骨折でしょう?死なないわよ。心配しないで」
「でもっ」
「祓うのは簡単よ。でも本人が納得してないとそれは私はやらないの。」
「だって」
「明日、一緒に彼のお見舞いにいきましょう?
納得してくれるなら私もちゃんとするわ」
「・・・はい。」
彼女と約束して明日の2時にお見舞いにいくことにした。
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