BARあずさ

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「じゃぁ、教えてあげるけど、高村さんに憑いてる何人かは前よりも薄くなってるわよ。 薄くなるっていうことは執着が薄れてるってこと。 だからいま薄くなってる何人かのせいで入院してるし、そのお陰で彼らは桐谷さんと会えたから満足してる証拠なの」 「は?なんだよそれ?」 「別に信じないならそれでいいわ。 ただ、高村さんが死ななかったのは、死んでしまったら意味がなくなるからね、きっと。 怪我なら口実に会う機会が増えるもの。」 「・・・・・・・・は?」 “マッタクイミガワカリマセン” そんな顔の後ろを視る。 「薄くなってるのは若い男ばかりね。 多分…同い年くらい? 見舞いに来た中に桐谷さんを好きってひといなかった?元彼とかなんか」 尋ねた瞬間、高村の顔色が曇った。 、
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