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全ての世界は必ず何かしらのルールを持っています。それによって世界を形作るのです。
人の住む世界には共通して「夜の森には近づいてはいけない」というルールがあります。
そして、人のいない世界には共通して「無闇に食事をしてはいけない」というルールがあります。必要な時だけ必要な量を食べる。それ以上の狩りはしてはいけない。そういうルールです。
人の味を覚えてしまえば、森に住む彼らは人が食べたくて堪らなくなるでしょう。だから村と森を分けるのです。
人が森へ行かなければ彼らは人の味を覚えずに済みます。ただ、それだけのことなのです。
しかし、世界には共通してこんなルールがあったりもします。
ハロウィンのルール。それはハロウィンの日だけのルール。それは「ハロウィン以外の日のルールを破ってもよい」というもの。
人はワガママに甘いお菓子をねだってもいい。手に入らなかったら、傲慢にイタズラをしてもいい。
獣と魔物はワガママに血の滴るお肉を好きなだけねだってもいい。手に入れるため、強欲に牙と爪をふるってもいい。
だから、ハロウィンの日は森に入るべきではありません。特に夜には。朝より昼の方が、昼より夜の方が、彼らはお腹を空かせているはずなのです。
だから、ハロウィンの日は森に行ってもいいのです。その日は唯一「行ってはいけない」というルールが外れる日なのですから。
何が起きてもいいと言うなら。
さあ、とうとう待ちに待ったハロウィンの開幕です。
♪今日は楽しいハロウィンナイト
誰もがみんなモンスター
騒げや 歌え 呑め 食らえ
隣が消えても気づかぬよう
今夜は楽しいハロウィンナイト
あまぁいお菓子は誰のもの?
キャンディ クッキー パイ ×××
なくなる前に奪っちゃえ
今日は楽しいハロウィンナイト
いつもの外へ飛び出そう
光も闇も関係なく
一夜(ひとよ)の宴に狂い舞え♪
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