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「どうぞ」
ユエは振り向かず答える。
「おはよう、ユエ」
「レイ…おはよう」
ドアに寄りかかり、ユエに向かって右手を振っている。
「今日も朝からユエの顔を見れるなんて…俺は幸せだよ」
「朝からうるさいわね」
黙っていればいい男なのに、と思いながらユエは大きなため息をついた。
「はぁ、君に俺の気持ちが伝わるのはまだ先のようだな……」
やれやれ、と言いたげな顔をして笑うレイ。
「で?朝から何の用かしら?」
淡々と問うユエに、レイは「もう慣れた」と言って答えた。
「あの方がお呼びだよ。8時にロビーにて集合との事だ」
ユエはそばにあった時計に目をやる。
時刻は7時05分。
「わかったわ」
「ところでユエ、集合まで時間もあるし一緒に朝食はどうだい?」
「レイ…あなた毎日私を誘っているけど、答えは分かっているじゃない。答えはノーよ」
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