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「とにかく、行かないわ。それに…私元々朝食は取らないの。早く出て行ってくれない?着替えたいの」
「あぁ、これは失礼。今回は諦めよう……でも、俺は誘い続けるよ」
そう言い終わると、レイはニコッと笑い、扉をゆっくりと閉めた。
ユエはまたひとつため息をついて着替え始める。
身支度が終わると、窓際にある椅子に腰掛け、メイドが運んできた紅茶を飲む。
ユエの部屋の大きな窓からは、 庭が見える。
大きな庭だ。
庭には、たくさんの薔薇が咲いていた。
その薔薇を眺めながら、お茶を飲むこの時間がユエは大好きだった。
飲み終わると、時計に目をやる。
7時40分。
そろそろ時間だ、とユエは椅子から立ち上がり部屋を後にした。
長い長い廊下を歩く。
廊下には真っ赤な絨毯が引かれていて、少しふかふかとしていて気持ちがいい。
廊下にはいくつもの大きな窓があり、朝日が廊下を照らしている。
壁側にはオシャレな絵画やらが飾られている。
所々に置いてある小さなテーブルの上には、オシャレな花瓶に薔薇がいけてあった。
(ここへ初めて来た時はあまりの大きさにびっくりしたものね…屋敷の中は広すぎて自分の部屋へ帰れなくなったりした事もあったっけ)
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