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白銀の長髪を後ろでひとつにまとめているデリック。
穏やかな表情で、見た目からまさに老紳士。
「ねぇ、ところで主はいついらっしゃるの?」
アリスがデリックにそう問う。
アリスはロビーの真ん中に設置されているソファへ座り、テーブルに置かれたお菓子をバクバクと食べ始めた。
「もうそろそろいらっしゃる頃かと」
デリックがそう言い終えた瞬間、ロビーの扉がゆっくりとひらき始めた。
空気が一瞬で重くなる。
ただならぬ禍々しいオーラと共に現れたのは、真っ黒なカラスの仮面を被った男。
目元は仮面で隠れているが、見える口元から容姿は淡麗だと言う事が容易に伺える。
男はロビーの中へ入ると、待機していた6人を通り過ぎ立ち止まる。
そして指を「パチッ」と鳴らすと、男の目の前に大きな椅子が現れた。
男は堂々と現れた椅子に座り、脚を組む。
数秒の沈黙の後、最初に口を開いたのはデリックだった。
「我らが主、我らが太陽……我ら貴方様の忠実なる下僕、ヴァイス今ここに」
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