後悔解消

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 若くしてニヒリズムに沈淪して世間一般の人間には精神的な価値を見出せず、見てくれの良さにしか価値を見出せなくなった。それは中身を見抜く洞察力が無いからではなくて寧ろ洞察力が長けているからこそそうなるのであって元から経済力のあった私が選び取った妻は、当然ながら美女だった。而も名器の持ち主だったからこの上なく彼女を物質的に愛した。となれば早く感じすぎて…となるところだが、私は彼女を満足させられる程に熟れていて巨根で精力絶倫だった。今もそれに変わりはない。  私は子供を産むと、ガバガバになるということを知っていたので彼女の名器を保たせる為、彼女に避妊薬を飲ませていた。しかし、使用した避妊薬がインチキだったものか、彼女は30の時、妊娠してしまった。  当然、私は中絶を望んだが、彼女は愛の結晶を殺せって言うのと訊かなかった。ところが、私の愛していたのは妻の容姿であり名器であったから出産後、胸が張り、大きくなった時だけは喜んだが、授乳後、胸が萎み垂れてしまったし、あれをしてみると、矢張りガバガバになったので妻への愛は、緊張症の子供のようにシュリンクしてしまった。  しかし、一緒になった時、誓い、約束し合ったとこしえの愛を破ることになるし、妻以外の女はガバガバになった妻と同じくらいの物しか持っていないと経験上、諦めることが出来たから妻と別れずに45になる今の今まで何とかかんとかやって来た。それにつけても金がかかってしょうがない。せめて見た目だけは保たせようと化粧品で誤魔化すという小手先の方法に頼らず、美容整形外科に通わせ、ヒアルロン酸やコラーゲンや脂肪の注入だけでなくフェイスリフト、ネックリフト、バストリフトを施させ、美貌の衰えを補い、胸の張りや垂れの抑制を図って来たからだが、あそこだけは診てもらう訳には行かないし、仮令、診てもらっても専門医じゃないし、そもそもそんな専門医はいないからどうしようもない(笑)。  それはさておき一人娘は今や18である。妻の子であるから遺伝で名器を継承していると想像されるし、妻に似て綺麗だから正直、近親相姦したい衝動に駆られ、危険な状態に陥ることが間々ある。何せ未だに全盛期の妻でしか満足できないことに変わりはないのだから然もあらん。  時にそんな私を察して娘は恐怖し、妻は嫉妬する。嗚呼、何という親子関係なのだろう。我ながら呆れ返る。  ところで妻は相変わらず性欲旺盛で娘が大学へ通うため上京して以来、私をより求めるようになり、今年も元旦早々、姫はじめをしたが、妻だけ満足して私は一ミリも満足できなかった。だから、あなたはいつまでも最高だわと妻に絶賛されても上辺で笑って内心泣いているのである。とほほ、嗚呼、娘とやりてえ!畜生!こんなことなら絶対中絶させれば良かった!と心中で悲痛に叫ぶ我あり。何事も年を取ってみないと、分からないものである。人生は後悔そのものである。と思ったが、妻は何も後悔していないのであった(笑)。  ところがである。三日から友達と三泊四日の旅行に行くというここ数年恒例となっている我が家の行事により妻が留守になると、二日に帰省していた娘と二人きりで過ごすことになり、これ幸いと有り得ないことが有り得る何でもありのボーダレスな御時世に希望を見い出し、ばれたら妻を後悔させることをしてしまった。その顛末を以下に述べよう。  私は真っ昼間から娘とお屠蘇を頂きながらテレビの正月番組を観ている時、大分聞こし召して桜色の肌を桃色にして酔って来た彼女に親指を立てて言った。 「どうだ、こっちの方は?」 「えっ、何のこと?」 「男だよ」 「えっ、ヤダ、お父さん、何、その聞き方」 「彼氏できたか?」  娘は首を振る。 「じゃあ今まで経験は?」 「えっ、お父さん、そんなこと訊くなんて変!完全に酔ってる!」 「お前よりは全然酔ってないよ。気は確かさ。そんなことよりお前、気持ち良くなった経験あるか?」 「えっ、酔って?」 「違うって、男とやってさ」 「えっ・・・」 「ないだろ」 「・・・」 「バージンか?」 「バージンじゃないけど・・・」 「じゃあ何回やった?」 「えっ」 「恥ずかしがるんじゃない。まだ酒が足りんようだな」と私は言うと、娘にお屠蘇を強引に勧め、どんどん飲ませた。で、娘はいける口なので言われるが儘にぐびぐびと美味しそうに飲み続け、顔色が大分赤くなったところで私は言った。 「お父さんは真剣にお前のことを思ってさっきから聞いてるんだ。恥ずかしがらずに正直に言いなさい。何回もやったか?」 「何回もって、やだわ、お父さん、ヤリマンじゃあるまいし」 「じゃあ、2回くらいか?」 「見縊んないでよ。5回よ」 「そ、そうか、結構やってるな・・・」普通の父親なら我が娘の体がそんなに穢されてるのかとショックを受けたり心配になったりするものかもしれないが、私の関心事は違うからこう訊いた。「で、一回目は当然痛かったろうが、2回目からはどうだった?」 「どうだったって、う~ん・・・」 「気持ち良かったか?」 「あんまり、って言うか、相手が直ぐにいっちゃって・・・」 「やっぱりそうか!」と私は断然色めき立ち活気づいた。「それなら気持ち良くなりようがないな。第一、相手はテクニックもなかっただろうし、しかしだ、お父さんは直ぐいかないし、テクニックがあるからお前を気持ちよくさせ、いかせることが出来る。そこでだ、今からお父さんが気持ち良くさせていかしてやろうと思うんだがな。どうだ、いいもんだぞ」 「え、えー!」と普通ならなる所だが、娘は陶酔境に入るように目をとろんとさせ、いいもんってどんなもんだろうと想像するらしかった。で、「お前は名器の持ち主に違いないからやり甲斐がある」と私は言うと、娘にいざり寄り、そっと肩を抱いた。「まずは優しく愛撫してやろう。気持ち良くなるには前戯をしっかりしないといけないからな」  娘は愛に飢えていたと見え、しらふの時と違って素直に愛欲を曝け出し、柔肌も曝け出し、嫌がる素振りなぞ露も見せずテクニシャンたる私の愛撫を心地よさそうに受けて行った。そうなると、事は拍子抜けする程、とんとん拍子に進むもので娘はぐでんぐでんに酔った体を悩ましくくねくねと捩じらしたりして終ぞ味わったことがないであろう快楽に浸り、桃色吐息を漏らし続けた。で、娘が程よく濡れた所で我が巨根の挿入と相成った訳だが、正しく名器で私の期待に違わぬ締め付けを十二分に味わうことが出来だ。  娘は私のピストン運動に合わせて可愛らしい喘ぎ声を漏らし続け、生まれて初めてエクスタシーに達し、私は実に久方ぶりのエクスタシーに達した。  勿論、コンドームを装着していたから妊娠の心配はまずないと思う。妻には内緒にしておけば万事上手くいくことだ。妻は依然として後悔しないし、私も後悔しなくなった。と言うのも娘が味を占めてしまったのだ。これは考えもので早く私のような好い物を持った彼氏を見つけなければいけないが、見つけたら見つけたで私が困ることになりはしまいか。ま、孫が出来れば、考えも変わって来るかなと思ったが、私がそんな真面な爺になれる訳がないか(笑)。  
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