10000枚のラブレター ~家畜より愛をこめて~

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10000枚のラブレター ~家畜より愛をこめて~

 きゅぽんっ! 「プギ?」  ある日、どこからか飛んできた矢文(先っちょは吸盤)がチャーコのおちりに命中した。 「矢文とは風流ニャ。どれどれ」  庭で一緒に遊んでいた黒猫のヌコリンが(ふみ)を紐解くと。 【一万枚のラブレター💌企画、参加者募集!】  つまり、ケイ(チャーコの飼い主)の新書籍出版を讃え&応援する企画、“一万枚のラブレターをテーマに作品や日頃の気持ちを伝える手紙を送ろうぜ!” ……のお誘いらしい。 「ニャ? 主催者は“匿名希望・藪からひょっこり犬”……あやつニャリ」  ヌコリンの脳裏に、ケイん()の屋根裏に居候しているストーカー犬🐶がモヤっと浮かぶ。 「あたちやるプギ、ケイの応援! 10000まいラブレターするるーん♪」 「いや、一万枚書くワケではニャく」 「ヌコリン早く! あたちのヒヅメにクレヨンはそんでー♪」 「断るニャ。めんどい」  かくして、猪突猛進(こぶたのくせに)なピンクのおちりが、矢をつけたままプギプギとお家に入っていった……。  
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