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明敏
大学で出会った、小泉美海に一度だけ弱音を吐いたことがある。当時 気になっていた女子にこっぴどくふられた日、ひどく酔った俺を居酒屋から連れ出しタクシーに乗せようとしてきた。
「お前まで俺を、おれをじゃまものみたいにするのか」
彼女は薄く笑い、酔いすぎだよと呟いた。
「お前は、お前は俺の横にいろよ!なぁ!親友!」
今思えばかなり酔っていた。サークルの飲み会で、好き勝手に暴言を吐く俺を笑いながら見送ってくれた。
その二年後変わらないカンケイを続けてきた。卒業を控え、今日こそはと 彼女を呼び出した。
思いでの場所に。俺と美海の。
「あっくん、いつまでも横にいるよ」
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