チューニング4回目 入部

1/1
前へ
/17ページ
次へ

チューニング4回目 入部

「一年生のみなさん、こんにちは~部長の松島ゆずきだよ!」 明るい声で迎えてくれたのは吹奏楽部の部長。そう、私は吹奏楽部に入ったのだ。 「一年生の皆さんに、サプライズがあります!みんな出てきていいよ!」 部長がそう後ろに向かって声をかけた。 すると、67人もの部活生が出てきた。そのなかにはあのトランペットを持ったポニーテールの人もいた。 「じゃあみんなで!宝島!」 指揮者…おそらく顧問の先生だろう。 部長はいつの間にかクラリネットを持っていた。 音が飛んでいく。トランペットの澄んだ音が。低温と溶け込み、丁度いい割合だ。 宝島は終わったが、まだ名残惜しかった。 もしかしたら、とてつもないほどすごい演奏を聞いたのかもしれなかった。 「じゃあみんなには楽器体験をしてもらうよー!一人ずつ一つの楽器に行けるから焦らないでねー!」 楽器体験が始まった。 私は最初にユーフォニアムを吹く。かなりいい音が出た。 つぎは、トロンボーンだ。スライドするのが難しく、落としてしまいそうであった。 つぎは、パーカッション。そのつぎは…というふうに様々な楽器を回る。 そして最後に来たのはトランペットだ。 あのポニーテールの先輩もいた。 「いらっしゃい!頑張ってね!」 私はトランペットを吹く。いい音は出なかったが、先輩はドンマイ!と励ましてくれた。 楽器体験は、一人2周。私は二周目が終わると、明日の予定を見た。明日は今日と同じ感じで、放課後に音楽室に集合。 そして楽器の希望を取るらしい。楽しみだ。 次の日ー 楽器の希望を取ったらもう帰っていいということだった。第5希望まである。 第一希望 トランペット 第二希望 ユーフォニアム 第三希望 サックス 第4希望 クラリネット 第五希望 サックス 結果がどうなるかはまだ知りたくなかった。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加