徒然なる少女

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少女はぼんやりしていた。 ある時、穴に落ちた。 学校の帰り道だった。 前日の大雨でマンホールの穴が開いていた。 少女は気づかないまま、前もしっかり見ないで歩いていた。 穴の中には階段もなく、地上に上がれる術もなかった。 もう当たりは暗くなり始めてこのまま家に帰れないかも知れないという不安が少女を襲った。 それから何回か声を出してみたが返事をする者はいなかった。 少女が歩いていたのは田舎道。 当たりが暗くなり始めれば道を通る人もいなくなってくる。 やがて少女は諦めてこの中で暮らすことを考えた。 しかし大人でさえマンホールの中で暮らすための知識など持ち合わせていない。 ましてや少女はまだ中学生だ。 果たして少女がいる空間にはなにがあるのか。 何が潜んでいるのか。 なにもわからなかった少女はとりあえず、スクールバックの中を開けてみた。
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