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頬と口角を少しだけ上げ、下から恐ろしく整った顔を見上げながら今度はあたしから彼の唇を掬うようなキスをした。
ちゅっと、軽く重ねてその後は下唇をハムっと唇で唇を挟みちゅうっと吸い付く、子供がするようなキス。
藤さんがいつもあたしに仕掛けてくるような大人のキスとは程遠いキスだったけど、きっとそれが合図だった。
あたしの脚の膝に手を置きグッと大きく開かせ、激しく腰を動かし始めた藤さん。グリグリと奥を突き、揺さぶる。
あっ、と息を飲む。視界が涙で滲み藤さんの大きな背中に爪を立てる。苦しいくらいの快感、だけどそれもまた気持ちいい。
「あっ、ふじさ、あぁあっ――」
「煽ったのはお前なんだから最後まで責任取れよ」
「煽って、なんかっ……あんっ、はあっ」
「可愛く啼き狂えよ――茉那」
不敵に笑いながらそう言った藤さんに言葉での返事の代わりにキスをする。
藤さん、藤さん、藤、さん……。
―――こうやって貴方と身体を重ねられる時くらいはもっとあなたを感じさせて。
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