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…………なんだろう、凄く温かいなにかがあたしの頬を撫でているような気がする。
「ん……、」
無意識に頬を撫でているなにかを手で掴んでぎゅうっと抱きつき、自分から頬を擦り付けるようにスリスリする。
「ふっ、寝てる時は素直だな」
「んぅ……?ん、」
あ、今度は唇に温かくて柔らかいなにかがフニっと触れた。
触れて、離れて……また触れて。
そうしている間に少しずつ脳が覚醒していき……。
「……あ、れ……?」
「ようやく起きたか?」
重い瞼をゆっくり開けば視界いっぱいに整った顔が現れ……。
何故か藤さんは薄い唇に煙草を銜えながらベッドの縁に座り、あたしの頬に指を滑らせていた。
「……藤、さん……」
本物………………?
寝起きの頭はすぐには正常にはならず、なんだかまだ夢現のまま胸が凄く温かい気持ちのまま「もっと」と、唇を動かせばすぐにあたしの唇に藤さんの唇が重なった。
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